エアプランツを育てていると「ソーキング」という単語を耳にしますよね。
水につけ込んで、水分を吸収させる事らしい…といった知識は入ってくるものの、果たして必要なのか?不要なのか?
一体どういうメリットがあるのか、正直よく分からない所がありますよね。
そこで、ソーキングの効果や方法をこちらのページで詳しく解説いたします!
筆者は100均産のエアプランツを中心に、20個ほどのエアプランツを5年間育ててきました。
そのうち約4年間はソーキングだけで育てています。
色々試す中で分かった、ソーキングの効果や注意点などを実体験を中心にお伝えできればと思います。
この記事で分かる事
・ソーキングの効果と具体的な方法
・ソーキングのメリットとデメリット
・ソーキングを行う際の注意点
こういった情報に興味がある方は、是非このまま記事を読み進めてみてください。
ソーキングとは
エアプランツの専門書を見ると、ソーキングは「通常の水やりでは追い付かない状態の場合、強制的に水を吸わせる緊急処置」であるという説明が多いです。
週に一回のソーキングだけで約4年間育てているのですが…見た感じは元気です。
最初の1年は霧吹きでの水やりでしたが、手の腱鞘炎が悪化したため、別の方法を模索した結果ソーキングだけで育てる事になりました。
もの凄く大きくなったり、成長速度が速くなったりといった事はないですが、霧吹きの水やりなしでも十分育っているように思えます。
エアプランツを育てていくうえで、ソーキングは必須ではありません。
自然界において、エアプランツが水に数時間漬かる場面はありません。
そういう意味では霧吹きによる水やりのほうが理にかなっています。
エアプランツをソーキングだけで育てる事は「可能」
ソーキングだけで育てるメリット
ソーキングの一番のメリットは、お世話の時間を減らせることです。
エアプランツのほかに、普通の観葉植物や多肉植物など、いろいろ育てているとお世話時間も増えてきます。
また、持っているエアプランツの数が多くなると、いつ水をやったのか把握するのが大変です。
水の乾き具合はどんなものか一つ一つ調子を見て、水切れしそうなものは水やりするといった行動は、結構時間を取られるものです。
ソーキングだけで育てるデメリット
水が好きなエアプランツは水切れをおこしやすい
特に筆者はデメリットを感じていませんが、強いて言うならやや水切れを起こしやすくなるくらいです。
エアプランツのサイズや乾き具合に応じて、適切な水やりを行うのが理想的です。
しかし全部まとめてソーキングするとなると、当然水切れしやすいタイプ(主に緑葉種など、葉っぱが緑色っぽいもの)は葉先が枯れこみやすくなります。
慣れていない場合は、エアプランツが弱ってしまう可能性あり
ソーキングで一番恐ろしい事は、水を吸わせる時間が長すぎて弱ってしまう事です。
筆者も最初はソーキングをどうしていいか分からず、まずは1時間漬け込むところから始めました。
そして徐々に2時間、3時間…と時間を増やし、6時間に達する頃に調子を崩すエアプランツが出てきたので、ここを上限としました。
エアプランツを育てる上でソーキングは必須ではありません。
しかし水切れしやすい株を持っている場合は、霧吹きでの水やりに加えて、ごく短時間のソーキングを追加してみてもいいかもしれません。
エアプランツのソーキングのやり方を解説
ソーキングに必要なものはタッパーと水だけ
エアプランツをソーキングする際は、エアプランツがすっぽり収まるくらいの容器を準備します。
入れる容器はなんでも大丈夫です。
筆者はダイソーやセリアで購入した100均の調理用タッパーを使っています。
現在10個のエアプランツを持っており、無理なく漬け込むために100均のタッパーの中でも一番容量が大きいものを2つ使っています。
タッパーに水を入れる
水道水をタッパーにたっぷりと入れます。
エアプランツ本体が全部収まるくらいの水量であれば大丈夫です。
水を持ち歩いたときに、こぼさない程度にとどめておくと無難です。
エアプランツを水に漬け込む
エアプランツを水につけていきます。
満遍なく漬け込むために、エアプランツをひっくり返して水につけています。
イオナンタやパウシフォリアなど、形がしっかりしているものを無理に押し込むと、葉っぱが折れてしまうので注意が必要です。
容器が狭すぎると、互いにこすれてトリコーム(表面を覆う白い粉)がはがれてしまうので、ギチギチにならないよう、ゆとりをもって水につけます。
10個のエアプランツを、無理なくゆとりをもって収めることができました。
多少水からはみ出していても、ソーキングの効果は十分あります。
軽くちゃぷちゃぷ沈めて、トリコームが濡れた色になったら大丈夫です。
エアプランツのソーキング開始時間を覚えておきます。
筆者の環境では、だいたい4~5時間漬け込めば、およそ1週間水を与えなくてもコンディションを維持できます。
だいたい4時間くらいソーキングできたので、今回はここで引き上げます。
一回のソーキング時間は、だいたい4~5時間内に収めるようにしています。
エアプランツを水から出します。
ひっくり返して根本側を持ち、水滴が出なくなるまで軽く振って、水気をしっかり切ります。
葉に水が残ってしまうと、そこから腐ってしまう場合があるので注意しましょう。
葉っぱが細いタイプのエアプランツは、水切りの際に葉を折らないように注意します。
根っこがある場合は根っこを持って水切りができるので便利です。
通気性の良い網のような物の上にエアプランツをひっくり返して置き、そのまま一晩乾燥させます。
全てのエアプランツの水切りが終わりました。
早いもので2~3時間、時間がかかるものは4~5時間で乾燥し終わります。
エアプランツのソーキングの時間帯は「夕方~夜」が基本
ソーキングの時間帯は、夕方から夜が良いとされています。
根拠としては、エアプランツの気孔が夕方から夜に開くからです。
筆者は主に夕方から夜の時間帯(18時以降~)にソーキングし続けて、エアプランツが4年間ほど生き延びています。
一回のソーキング時間は「6時間未満」が無難
筆者は、1回のソーキング時間を6時間未満にしています。
12~13個くらいのエアプランツを約4年間ソーキングだけで育ててきましたが、ソーキング時間が6時間を超えたあたりで、逆に弱ってしまう株が出てくる事が経験上分かりました。
もし、ソーキング中に何か作業を行ったり、娯楽を楽しむ場合は特に注意が必要です。
時を忘れてうっかり没頭し、6時間を超えてしまいそうな場合は、例え3時間や4時間しかソーキングできていなくても水から出します。
ソーキング時間が長すぎるか、短すぎる場合なら、迷わず「短い方」を選んだほうが安全です。
もし6時間を超えてエアプランツが弱ってしまったら
筆者の場合ですが、ソーキングで弱った株はしばらく水を与えず放置します。
水を与えすぎて調子を崩しているので、逆にしっかり乾かして水切れ状態を作り、水を欲するくらいまで放置していました。
種類にもよりますが、放置期間はだいたい2~3週間から、長い場合は1か月くらい水を与えません。
下の葉は枯れてしまうものの、他に異常が出ていなければ復活の見込みあり。
ある程度の期間乾かしたら、その株だけは霧吹きで水を与え、水分吸収で元気になるか様子を見ます。
水やりをした後に、葉っぱが以前のようにシャキッとなったら、無事復活です。
エアプランツのソーキングは、週に一回程度。季節は気にせずに。
夏でも冬でも週に一回でとりあえずOK
筆者の環境(マンション、窓はほぼ閉めっぱなし)では、夏でも冬でもだいたい週に一回のソーキングを行っています。
週に一回の頻度でも、まずまずのコンディションを維持できています。
夏は成長期なので、1日~2日ほど間隔を短めに。冬は成長が遅くなるので、数日くらい間隔を長めにしてもいいかもしれません。
慣れないうちは、冬場のソーキングはしないほうが無難
ただし、エアプランツの専門書によると、
気温が5℃以下になる冬場はなるべく避けた方が良いでしょう。
「藤川史雄のティランジアブック」より
とありますので、ソーキング経験が少ない場合は、冬場のソーキングはやめておいた方が無難です。
エアプランツのソーキングの水温は「常温」がオススメ
筆者は夏であれ冬であれ、マンションの水道から出てくる水を4年間使ってきましたが、特に問題が起きたことはありません。
例えば、太陽光に熱せられたお湯のような水や、氷水が溶けたような物凄く冷えた水でもない限り、問題にはならないのではないかと思います。
ソーキングを上手く活用して、上手にエアプランツを育てよう
観葉植物の専門書には、ソーキングは「緊急的な対応」とされています。
しかし筆者は、4年ほどソーキングだけで育てておりますので、ソーキング自体が「悪い・危険」というものでもないように思います。
ソーキングを上手く利用することで、エアプランツの水切れを防ぐ効果や、日頃の水やりの手間を減らす効果もあります。
植物との付き合いは年単位で長くなりがちなので、時にはソーキングも上手く利用しつつ、上手に付き合っていきたいものですね。
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